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分析家の独り言 299 (今年を振り返って:成長)
去年3月、ここ滋賀県大津市にラカン精神科学研究所とともに住まいを移し、約2年足らずが過ぎた。

人は生き方を変えるように住み替える。

確かに私にとって大きな転機であった。

おそらくまたここ何年かのうちに転居する。

自分の歳を考え、老後を視野にいれ終の棲家を探す。

今年1年、いろいろな人との出会いがあり勉強させてもらった。

「自分以外の人には出会わない」と言う。

来年また自分を知った分だけ、これまで出会えなかった人(自分)と出会えるだろう。

どういう人(自分)たちとの出会いがあるのか楽しみである。

自分を知り成長した分、程よい親との距離がとれる。

支配するされるでもなく、依存するでもなく、私は私として言うべきことは言い、助けてくれと言われれば私の出来る範囲でする。

決して無理はしないし、優先順位を見誤ることもない。

親に人にどう思われるかを気にし、好かれることを私のとる言動の基準にして動くことはない。

それらもクライアントの分析を通して考えさせられ学習した。

クライアントの語りを聴きながら、クライアントと自分は全く違うと思っていても必ずそうとは限らない。

本当に自分にクライアントと同一の部分はないか、違うならどこがどう違うか、それらを常に検証し自分を見つめ知っておくこと。

この視点がないと、自分の無意識を知らぬ間に刺激され、心身に影響がでる(逆転移する)ことがある。

クライアン達は私に、「よくこんなしんどい仕事をしますね」と言う。

自分を常に見張っておく必要があり、そこには未熟な自分や見捨てられ不安や恐怖を味わった悲しい自分がゴロゴロしている。

そういう自分と出会うことはしんどい大変なことかもしれない。

それでも楽しいと感じられ、やりがいがある。

クライアントと私自身の成長が楽しみだからだ。

我が師、惟能氏は言う、「分析が目指すのは精神の成長である」と。

個人の成長と日本社会の成長を願い、今年を心静かに送り、新しい年を迎えようと思う。


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by lacan_msl | 2009-12-31 16:19 | 分析家の独り言 | Comments(0)
分析家の独り言 298 (自分を振り返って1:対人恐怖だった私)
この世に生まれたばかりの赤ちゃんに書き込まれていくのは、その母親の情報、自我である。

すると、この母親のなかにどういったものがあるのかが問題となる。

例えば母が、人を恐がる=対人恐怖症であったとすると、我が子も一人の対象でるため、この子を恐れる。

対象と関わるときの基本的姿勢は、恐い恐れるとなり、当然人との交流を避ける。


インテグレーター養成講座のテキストの「自己愛」を読み返し、ふと思い出し考えた。

私はギリギリ社会適応してきたが、基本的には対人恐怖だったなぁと。

学生時代は授業で先生に当てられないように願いながら学校生活を送っていた。

人前で話すことは大の苦手だったし、友達も少ない方だったと思う。

中学から部活をしていたので、その仲間はいたがそれが友達といえるものだったかは今となれば疑問である。

ただ同じ部活での時間を過ごし、バスケをそれなりに楽しんだが、私は本心を語ることはなかった。

自分が抱えているしんどさは、同じ世代のこの人たちにはわかるまいと決めていた。

家で親に「ああしなさい、こうしなさい」「それをしてはいけない」と縛られ、したくもない宗教を強要され、いかにして家に居ないようにするかを考えていた。

登校拒否ならぬ帰宅拒否か(苦笑)。

その逃げ場が部活だった。

小さい頃から、度々ではないにしろ叩かれることもあった。

育つ過程で「人とは関わらないがよい」、「人は恐いもの」と学習した。

私にとってがんじがらめの家から出られた大学時代があったことは大きかった。

この時期になってやっと、友達と呼べる人たちができた。

それでも、それまで親に監視され、命令指示されてきたことは私の中に居座り続け、何かをしようとするとき、心の中に住み着いた両親にいつも見張られている感じが常にあった。

それと戦いながら、時には私が勝利し、また時には親に負け、一応の自由の中4年間を過ごした。

そのまま家に戻らず就職でもすればよかったのだが、親は大学を卒業したら私は家に帰るものと決めており、私はそれに逆らうこともできず帰るしかなかった。

まだ、自分の力で生活していくという自立心は私には育っていなかった。

親に呑み込まれ、そこから脱出するほどのエネルギーと自我は、大学時代の4年間では取り戻すこともつくることも出来なかった。

あの頃に分析と惟能創理氏に出会えていれば・・・ 私のその後も続く苦悩は随分軽減され、全く違った道が開けていただろうにと思う。

実際に出会えたのはそれから14年も後のことになる。

分析を受け、親のロボットだった自分を自覚し、自分を取り戻すために10年以上の時間がかかった。

それでもあのまま自分を持たずに、しかし持っているという錯覚の中でもがき苦しみ続けたかと思うとゾッとする。

あるクライアントは、「おまけの人生、二度目の人生」と言ったが、私にとっても今が「生きなおしの人生、取り返しの人生」である。

「自分が望んでもいないのにこれほどの苦悩を味あわなければならないのは理不尽だ」

だから私は、「自分の人生をこのままでは終われない」と思ってきた。

「いくつになっても生き直せるんですね」と言ったクライアントの言葉が心にしみる。


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by lacan_msl | 2009-12-28 09:20 | 分析家の独り言 | Comments(0)
分析家の独り言 297 (幸せになる:目標・理想をもつ)
クライアント達は、耳にたこができるくらい「オールOK」とともに「言われたことだけ(正確に)してください」と聞いている。

しかし、これを実行するのは簡単ではない。

最初私は「だまされたと思って、黙って三年オールOKしてください」と言う。

「しかも、敏速かつ的確に、継続して」

折に触れ、分析や講座、子育て相談室で説明していくため、クライアントは頭でなぜそうすることがいいことか理解していく。

しかし頭でわかったことと、実際に出来ることは違う。

そこには、オールOKする母親のその母との無意識の葛藤がある。

クライアントに、「子どもに言われたことだけする」という言葉が本当に理解されるまで10年かかる。

私は最初から同じことを言い続けている。

クライアントも言う、「何年も前から聞いています」と。

何度も言うが、言葉としてわかることと、実際に出来ることとは違うのである。

何年も分析を受け、子どもに対応しているあるクライアントは、「子どもに言われたことだけするという言葉が本当に理解されるまで10年かかる」と話したところ、「よかった、私だけじゃないんですね」と言った。

分析を受けても、講座などで理論を聞いても、なかなか「オールOK」や「言われたことだけする」ということが出来なくて、「何で出来ないんだろう」、「私がダメなのか」・・・ と自分が嫌になることがある。

それでも、知ってしまった限り、今更やめることも出来ない。

辛いながらも、「オールOK」することが真理であるとわかっているからだ。

そうでなければ、わざわざこんなしんどいことを誰もしようとは思わないだろう。

だから本当に子どもに「オールOK」をするには、母親が分析によって自分の無意識(親との愛と憎しみの葛藤)を知っていくことが必要になる。

子育ての場面で、母自身が育てられた養育状況が再現される。

母親自身の養育状況が幸せな(オールOKされた)ものならいいが、多くの人が自分の言いたいことが言えず、要求が受け入れられず、無視され、放っておかた、叱られた、叩かれた・・・ というものであれば、子どもに「オールOK]するのは葛藤に満ち満ちてしまう。

私も「オールOK」が身につくまで、何年かかったことか。

10年どころではなかったのではないかと思う。

やってもやっても、失敗してしてしまう。

自分で自分が嫌になる。

そんな中で思ったのは、多分私は人より欠損が大きいのだろう。

だから人が三年で出来ることが、その2倍3倍かかる。

悔しいけど仕方ない、そんな自分ならそれも受け入れてやるしかない。

それ以外に子どもと私の明るい未来はないとわかっていた。

そして、私にはインテグレーター(分析家)になるという目標があったため、人に「オールOKしてください」と言って、自分は出来ていませんでは通らない。

それではインテグレーターになる資格はないと思っていたから、この私にも努力し続けられたのだと思う。

目標・理想(なりたい自分という自我理想)を持つことは大事である。

この私に出来たのだから、やる気さえあれば誰にも出来る。

幸せになるために、取り組むだけの価値はある。

私は幸せになりたかったのだ。


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by lacan_msl | 2009-12-26 11:31 | 分析家の独り言 | Comments(0)
金谷氏今月のメッセージ (平成21年12月)
以下は分析家仲間の真理攫取(金谷)氏のHPにある今月のメッセージを私のブログで紹介しているものです。

テーマ「言葉の力」

 精神分析は言葉で治療をすると何度も言ってきた。これも言葉で表現している。
言葉を説明するのにやはり言葉を使う。言葉が無ければ何も分からないし、何も出来ないと言うことになる。人間に取っては一番大事なもので、絶対に必要なものである。それほど大切なもので必要なものを人間は、有効的に使っているだろうか?

 人を非難したり、悪口を言ったり、うそをついたり人間の心を無神経にも傷つける言葉、傷ついた人達が分析におとづれる。そこには親から「刻印」とも言うべき言葉を埋め込まれ、その言葉に苦しめられていることが浮かび上がってくる。

 治療は、この言葉を見つけるべく夢分析を使いながら探っていく。そして原因に行き当たれば、激しい情動と共にクライアント自ら語る。その状態で言葉にしたときすっきりし、自ら気付き受け入れて終わる。

 言葉はこれほどまで苦しみ心に打撃を与える。これは言葉が悪く働いていると言うことである。そうであるならば逆に良くなる力もあるのではないか、と思っていたがそれを証明する結果に出会えた時はっきりと分かった。

一般的にも恩師や先輩、友人・親からの一言が自分の人生を変えたと言う事を経験した人も少なくないだろう。また、自分自身を奮い立たせ励ます「言葉」を持っている人もおられるだろう。俗に言う「座右の銘」である。
 因みに小生の座右の銘は「絶対に諦めない!/ネバーギブアップ」である。聖者といわれる人は必ず言葉を残している。イエスは「山上の垂訓」を残し、お釈迦様は残されているお経全てに語られている。日本では戦国武将が旗印に文字を掲げた。今年の大河ドラマ「天地人」に出ていた上杉景勝の執政「直江兼続」は「愛」の文字を旗と兜に施していたのは記憶に新しいところであろう。

 又、その武将が死ぬ時「辞世の句」を読んだことは有名である。吉田松陰の歌は「親思う心に勝る親心、今日のおとづれ何と聞くらん」親の子供を思う心の深さを読んだものである。

こうして言葉で存在を示し気持ちを伝えている。戦場では、士気を鼓舞するのに役立ち「辞世の句」では、自分がどう生きてきたかを語っている。

今回EXILEがアルバムを出した。その中にマニフェストが入っていた。実は今年の初めに今年60歳になって生まれ変わる時期に何か自分のマニフェストを作ってみようと思っていた。6月頃に頭の中では出来てはいたが、誕生日に発表しようと思っていたらEXILE」が先に発表したのを見たとき、まったくとは言わないが自分が考えていたものと同じであったことに驚いた。僭越ですがここに披露してみたいと思います。小生のマニフェスト

1、幸せな自分をより幸せに向かい幸せな人を造っていく

2、夢を諦めず追い続けて行く

3、全て愛が必要、死ぬまで人を愛していく   である。

EXILEのマニフェスト

  1、「LOVE」愛を信じる愛を基準にする

  2、「Dream」夢を追う夢を応援する

  3、「Happiness」幸せに生きる幸せを共にする  である。

さすがEXILEは上手く作っている!

なのでこれを使わしてもらおうと決めた。この言葉通り生きていく。生きた言葉を使える人間を目指して、分析に磨きをかけていこうと心に誓った。

                 インテグレーター 真理攫取

金谷精神療法研究所


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by lacan_msl | 2009-12-25 08:17 | 金谷氏の今月のメッセージ | Comments(0)
ラカン精神科学研究所 年末、年始開所日のお知らせ
ラカン精神科学研究所は、年末は12月30日(水)までです。

年始は1月4日(月)からです。

緊急の場合、予約その他は、電話等で連絡してください。

℡ 077-558-8766 または 050-3767-6283

携帯℡ 090-7357-4540

メアド:lacan.msl☆gmail.com ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策))


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by lacan_msl | 2009-12-23 09:34 | ラカンMSLからのお知らせ | Comments(0)
分析家の独り言 296 (分析により自分を知る、自分を生きる)
子どもの不登校、ニート、ひきこもり、非行等、その他何らかの問題で分析に来られる。

それは母親である場合が覆い。

今、目の前の子どもを何とかしたい。

様々なところへ行ったが、これといった変化・進展もなく、何年か経過した状態の場合も多い。

分析の初めは、クライアントから子どもの状態を聞き、その子どもへの具体的対応法や、なぜそういう状態になったかを理解してもらう。

子どものことを話す母親は、子どもの何らかの問題は子どもの問題ではなく、自分に何らかの問題があると薄々感じている人もいる。

分析的に表現すれば、母親がその親との葛藤(愛と憎しみ)に未解決で、そのことを無意識に抱えながら子育てした結果、今の子どもの問題を生んだということである。

分析を始めると、子どものことと共に自分の親のことが語られる。

そうして母親は自分と子どもの関係と、自分と自分の親との関係を見ていく。

そこに共通点が見えてくる。

母親自身も親に言いたいことが言えなかったり、親の顔色を見たり、親の愚痴を聞かされて来ていたり、自分を否定されていたり・・・ している。

そのことが母親自身嫌だったはずなのに、その嫌なことを我が子にしてきた、その結果が今の子どもの状態であると気付いていく。

そういう意味で、子どもの問題は、その子を生み育てた親の問題であると言える。

それに気付き、自分を見つめ、自分と親との葛藤を見るのは辛いものである。

せっかく気付きながら、分析から足が遠のくこともある。

気持ちはわかる。

それでも我が子のため自分の成長のためにと踏ん張るか、辛さに負けて自分と向き合うことを避けるか。

それはクライアントが決めるしかない。

取り組まなければ現状維持だが、子どもの年齢は上がり実質問題は大きくなっていく。

取り組めば、見たくない自分を見ることになりそれも辛い。

しかし、結果が違ってくる。

辛いながらも取り組めば、その先には子どもの幸せと自分の幸せが待っている。

主体性を取り戻し、自分らしく生きていける、人生を楽しめる。

しかしまた、その道程の遠さに人は尻込みするのだろう。

しかし、「千里の道も一歩」、「継続は力なり」である。

お金を払えば得られるというものではなく、ただひたすらこつこつ積み上げていく努力のみ。

この長い道程を越えた末に得られるものは、何ものにも代えがたいものである。

私の場合は、辛さもありながら例えマイナスの自分であっても、自分を知ることが楽しかった、嬉しかった。

謎解きのように、なぜ自分が生き難かったのか、その訳がわかっていった。

自分への智を得、そして自分を肯定し、自分を取り戻していった。


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月刊精神分析2009年4月号 なぜ分析で病が治るのか

月刊精神分析2009年5月号 精神分析家をえらびますか?
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by lacan_msl | 2009-12-22 10:57 | 分析家の独り言 | Comments(0)
ラカン精神科学研究所メールアドレス変更のお知らせ
パソコンのメールアドレスを変更しました。

新しいアドレスは、lacan.msl@gmail.com です。

メール相談その他、ラカン精神科学研究所へのメールによる連絡は上記のアドレスにお願いします。


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by lacan_msl | 2009-12-21 09:30 | ラカンMSLからのお知らせ | Comments(0)
平成22年1月福岡出張日程変更のお知らせ
毎月1回、福岡出張セラピーを行っています。

平成22年1月の出張の日程が変更しました。

変更後の日程は以下の通りです。

日 時 : 1月6日(水)、7日(木)、8日(金)

場 所 : 地下鉄天神駅周辺(詳しいことは電話等にてお問い合わせください)

分析料 : 10000円 (プラス交通費2000円)

福岡近郊で分析を希望される方、おられましたらご連絡ください。

ひきこもり等により、外出が困難な場合は、お宅への出張セラピーを行います。

遠方への出張であるため、福岡でのクライアントの方には分析料プラス2000円の交通費の負担をお願いしています。

希望により子育て相談室、分析理論講座、インテグレター養成講座も開きます。

興味・関心のある方、参加希望の方は下記へお問い合わせください。

℡ 077-558-8766 または 050-3767-6283

携帯℡ 090-7357-4540

メアド:lacan.msl☆gmail.com☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策


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by lacan_msl | 2009-12-21 09:29 | 出張セラピー | Comments(0)
『月刊精神分析』 09年12月号 私と精神分析3 発刊のお知らせ
『月刊精神分析12月号』は、『08年11月号 特集 私と分析』、『09年02月号 特集 私と分析2』に続いて『私と分析』の第三弾です。

編集部Aさんが、私ラカン精神科学研究所・宣照真理と、東京精神療法研究所の立木歩美さんのもとをたずね取材しまとめました。

当ラカン精神科学研究所のインテグレーター養成講座を受講され、その模様を書かれています。

その後Aさんは東京に向かい、東京精神療法研究所の立木さんに会い話を聞いています。

インテグレーター養成講座の同期であった私達が関東と関西で、それぞれインテグレーターとして活動している様子が少し伝わるかと思います。

月刊精神分析2009年12月号私と精神分析3 は(こちらをご覧ください)


月刊精神分析2009年12月号私と精神分析 3 目次

1、はじめに
2、プロフィール
3、ラカン精神科学研究所(京都・滋賀)編
4、東京精神療法研究所(東京新宿)編
5、おわりに
6、精神分析家ネットワーク


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月刊精神分析2008年11月号 私と精神分析もご覧ください

月刊精神分析2008年12月号 心の栄養学講

月刊精神分析2009年01月号 運命は名前で決まる

月刊精神分析2009年02月号私と精神分析 2

月刊精神分析2009年03月号随筆 精神分析

月刊精神分析2009年4月号 なぜ分析で病が治るのか

月刊精神分析2009年5月号 精神分析家をえらびますか?

月刊精神分析2009年6月号 女性と仕事・結婚・出産

月刊精神分析2009年7月号 非行と家庭内暴力

月刊精神分析2009年8月号酒井法子覚せい剤所事件と分析理論

月刊精神分析2009年9月号 秋葉原無差別殺人事件

月刊精神分析2009年10月号変容と変遷

月刊精神分析2009年11月号分析を受ける 
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by lacan_msl | 2009-12-19 09:47 | ラカンMSLからのお知らせ | Comments(0)
分析家の独り言 295 (自分の感覚を大事にする)
クライアントの分析を終えて、ふと思い出したことがある。

20歳の頃、神戸の大学の近くで下宿をしていた私は、赤いブレザーを着て実家に帰った。

母はその赤いブレザーを見て「派手すぎる」と言った。

言われた私は、「そうかな」と思った。

しかし、これと言った反論もせず、いつまでも「派手」といわれた言葉が残っていた。

しばらくして、「20歳の私に赤のブレザーが派手というなら、私は一体いつ赤を着るの?」と思った。

それまであまり明るい色は着なかったように思う。

家を離れた開放感からか、私には珍しい赤のブレザーだった。

母はどういう基準で20歳の私に赤いブレザーが派手すぎると言ったのだろうか。

根拠のない、自分の勝手な感覚で軽々しく子どもにものを言うものではない。

もし私が今娘達に同じ様なことを言ったとしたら、非難ごうごうだろう。

私も娘が着るものをとやかく言おうとは思わない。

どうぞ、好きな色の好きな服を着てください。

それが個性だし、50歳を過ぎた私の感覚と、20歳代の娘の感覚が違って当たり前。

だから、相手を尊重し、自分なりの好きを磨いて楽しんでくれればよい。

私は自分でも気付かない色々な親の言葉に縛られ、親の感覚や価値観で生きてきたことがたくさんあったのだろう。

その親の呪縛から解き放たれ、自分の感覚を自分のものとして感じて生きる世界は、私が子どもの頃見ていた世界と違っているはず。

充実感があり、判断に迷うことはあるが自分で考え決めていける。

また、あるクライアントは着られれば服は何でもよかったと言った。

何色のどういうのが着たいということがなく、もらった服でもよかった。

そのクライアントは徐々に自分の好みの服を買うようになった。

自分の感覚を大事にしよう。

それには自分への自信や肯定感が必要。

それがないと他者から否定的言語を言われると、自分はこうだと自己主張できない。

自分は自分でいいのだ。

この世に一人しかいない私。

その私を私が認め、受け入れていけばよい。

その元になるのが、母の承認と賞賛である。

自我がまだ確立されていない子どもにとっては、母の影響は大きく、母の対応と言動によって子どもの自我はつくられていくのだから。

分析では、インテグレーター(分析家)がクライアントに承認と賞賛を与え、気付きによってクライアントは自我を育てていく。

自分の感覚を大事にすること、あらためてクライアントの分析から考えさせられた。


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by lacan_msl | 2009-12-17 08:53 | 分析家の独り言 | Comments(0)